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バリウム記念日

先週、会社で定期健康診断がありました。勤務先は年に一度全社員に対し誕生月に健康診断を実施しており、そのための施設も持っています。検診に加えて体力測定、そして健康講話(受講必須)もあるフル・コースなメニューです。海外駐在の社員も健康診断のために年に一度帰国して検診を受けることになっています。なかなかの徹底ぶりです。

fujaata の誕生月は 4 月ですが、この時期スケジュールが詰まっているのかここしばらくは毎年 5 月に呼び出されています。とまぁ、そのくらいは良いのですが、ある年齢に達すると検診項目が追加されるのです。それまでは身長、体重、体脂肪率、血液検査、検尿、胸部レントゲンくらいなのですが、fujaata は今年からそれに加えて検便、心電図、聴力、そして胃レントゲン検査が追加されました。

胃レントゲン検査...そうです、これを受けると言うことはすなわち「バリウム」をご馳走になることを意味します。巷で評判のあの「バリウム」です。「飲んだ後しばらく体調がおかしくなる」だの「あれを飲むくらいなら病気になった方が良い(ウソ)」だのって言われるあの「バリウム」です。そもそも内臓の検査が楽しいわけありませんが、それにしても「エグい」話しか耳に入ってこないあの「バリウム」でございます。そりゃぁもうブルーなんてもんじゃありません。去年の検診が終わったところで「あぁ、来年はバリウムかぁ」と落ち込み、検診の召集令状(=案内)が届いたところで愕然とし、前日は Web でバリウムに関する情報を調べまくった挙げ句その過激さあまり恐怖のどん底に陥ったのでありました。

当日、まず会場に向かうと検診の受付は 11 番目でした。fujaata の前には、どう見ても fujaata よりお歳を召した方々が並んでいます。「あ~、みんなバリウム仲間」なんて諦めムードで眺めていたのですが何か様子が変。なんと fujaata の直前の一名以外全員が胃レントゲン検査を拒否。会社では検査を受けることが前提になってはいますが、それはそれで拒否することも可能です。しかしそれにしてもこれだけ拒否する人がいるということは、さぞ過激な検査になることを予感させます。思わず fujaata もパスと言いそうになりましたが、前の人が「...まぁ、受けておきます」って言ったのにつられ、つい同じ台詞を吐いてしまいました。

検診が始まり検査のタイミング等もあって、なんとその日の胃レントゲン検査第一号になってしまいました。検査技師のおっちゃんが「はぁ~い、いらっしゃ~い」と言わんばかりに暖かく出迎えてくれたその部屋には、これからご馳走になるバリウムが大量陳列されていました。容器に入ったバリウムを攪拌する装置が小気味よく音を立てているのも、世紀末な雰囲気を一層盛り上げてくれます。

言われるままにカメラの前に立つと、技師のおっちゃんが白い顆粒の入った小さな容器をくれました。「はい、まずそれを口の中に一気に入れてください。これは発泡剤ね」...胃袋をふくらませるための発泡剤、すなわち重曹です。それを口に入れると今度は少量の水をくれ「それで一気に飲み込んでください」。言われるままに飲み込むとすぐに胃袋がパンパンに膨れあがります。当然ゲップをしたいのですが、それは許されません。ゲップをすれば追加の発泡剤が待っています。この気持ち悪い状態で「では、左手のところにあるバリウムを飲んでいきましょう~!」と言われ、左に目をやるとそこにはバリウムの入った容器が置かれているじゃありませんか。言われるままに左手で容器を持つと「はい、まず一口飲んでみましょう~」...う、まずい。まずいけど想像よりはマシか。「はい、もう一口飲んでみましょう~」...ゲップしないようにもう一口。しかしこのねっとり感とざらざら感は何とも言い難い。もはや味なんてどうでも良い感じ。「はい、じゃぁ残りを一気に飲んじゃいましょう~」...これなら日本酒イッキの方がなんぼか楽だわ。

バリウムを頂戴したところで、立っていた装置全体が傾いて斜面に横たわる状態に。この状態で何度か仰向けからうつ伏せになるように指示され、言われるままに動きます。バリウムを胃の中で均一に回すためですね。いつゲップ(とバリウム)を吐き出してしまってもおかしくない状態で、しかも結構激しく動き回るのですから苦痛以外の何者でもありません。食べ過ぎて苦しくて今にも戻しそうな状態で床をゴロゴロ転がり回ることを想像していただければ、過酷さが想像していただけるかと思います。しかも横たわっている台は上下左右自在に動きます。ほとんど倒立状態で停止し、さらに身体を傾けることを要求されることも。これを涙無しにどうやり過ごせっていうんでしょうか。ですがここでゲップしたりバリウムを戻してしまうことは避けなくてはなりません。そうなってしまった日には発泡剤とバリウムのおかわりが待っています。

何とか過酷な責めを耐えしのぎ、無事生還すると紙おしぼりを渡してくれ「とりあえず」終了(後述)。安心してまずはゲップしたのですが、思ったほどは出なかった感じ。このあたりは個人差がありそうですが、腹の中の気体は上か下かのどちらかから出ることになっていますので、ゲップで出なかった分は当然下から出るわけですな。(^^ゞ
気を取り直して検査室の外の洗面所で口をゆすいで、残りの検査へ向かったのでした。撮影の所要時間は掲示された説明によると 6 分ほどと書かれていました。前後の儀式まで含めれば 10 分以上このイベントを堪能することになります。

ところでこれで全てが終わりじゃありません。バリウムは吸収されませんからしかるべき経路を通って体外へ出ていきますが、なすがままに任せておくと経路の途中で硬化し詰まってしまいます。詰まらないまでも残っていれば腹がふくれた状態で気持ちが悪いことには変わりがありません。なるべく速やかにご退場頂く必要があります。

今回の場合一通りの検診後に問診があり、そこで下剤を頂くことができました。この下剤、Web で調べても同様ですが、人によって作用の程度が大きく異なる模様。人によっては一錠だけでも午後は仕事にならないほどの作用をもたらす場合もあれば、全く反応無く夕方、翌日と追加してもなかなか出てこない場合もあるようです。とにかく早く出すに越したことはありません。まずは一錠をコップ 2 杯の水で頂きます。大量の水分摂取も目標達成には効果的。

とすれば理屈は簡単。流れは一方通行ですからところてん式に押し出せば良いのです。検査室前の掲示にも、速やかに食事を摂って出やすくすると良い旨の案内がありました。そこで一通りの検査と体力測定終了後、売店へ行きコロッケ・パンとおにぎり 2 個、500ml パックの明治フルーツ・オレを一気に投入。これが午前 10 時。

全行程終了後職場に戻ったのが 11 時過ぎ。ここでお茶を 300ml 追加。さらに 12 時の昼食時は大盛りご飯の定食を多少苦しいながらも追加投入。もちろんお茶も追加。午後も手をゆるめるわけに行きません。夕方までにさらに 500ml 以上の水分と、途中「おやつ昆布」も追加。昆布はお腹の中で水分を含んでふくれるし、繊維質が豊富なので効果が期待できます。その後も晩ご飯にカレー一皿(ちょいと多め)を追加....。

一連の対策が功を奏したと思われ、当日の午後から過激なことなく固さ形状共にほどよい状態のブツが Output されていきます。さすがに当日はお腹が張った感じがありましたが、それでも数時間おきの成果出しで翌日はかなり楽に。食料の連続投入が好結果をもたらしたようで、一般的に言われている「白い固形物」は最後までお目にかかれず、いつもより白っぽいブツとして 2 日間に渡って放出することでケリが付いたようです。結局下剤のお世話になったのは最初の一錠だけ。

こうして fujaata のバリウムとの格闘は終わりを告げたのでありました。これがこの先毎年、会社にいる限り続くわけです。検査を拒否した方々の気持ちもわかるってもんです。これでも昔よりはかなり楽になっているらしいですから、まだ良しとしないといけないのかも知れません。ま、これで病気になっていたときに、確実に見つかってくれれば言うことは無いのですが、そうでも無いらしいところが辛いところ。

何はともあれ、「百聞は一飲にしかず」。まだ未経験の皆様は是非一度体験されると良いでしょう。人によっては病み付きになるかも知れません。まだまだ検査対象の年齢に達していないあなた。来る将来に向けて期待に胸を膨らませてその日を楽しみにしてくだされ。新しい世界観があなたを待っていることでしょう。

せめてもの救いは、検査結果には異常がなかったこと。胃潰瘍の 2 つや 3 つは出来ていてもおかしくないと思っていたので、とりあえず助かりました。やれやれ。

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コメント

おお!バリウム様ですか!
おいしいもの飲んでますなぁ~~。
毎日でも飲みたい位ですよ(ウソ)

おれも前に胃が悪くなってバリウム飲んで
検査した事あるんですが、下剤飲んですっきり
したら元にもどりましたよw

一体どうなってんでしょうね??

投稿: まさふみ | 2006年5月30日 (火曜日) 01:52

昔、ドリフの「8時だよ、全員集合!」で、胃レントゲン検査ネタがあって、何やっても「はい、バリウムおかわり!」って言われて何度も飲まされるネタがあったなぁ。

バリウムって比重が重いから残っていると嫌な感じが抜けません。出ちゃえばすっきりだけどね。便秘症の人は要注意です。

投稿: fujaata | 2006年5月31日 (水曜日) 09:05

飲んだ後は、もう二度と飲むもんか、と思うけど、1年後には「そろそろそんな季節か…」とソワソワしはじめる…。
そう。時間のスケールは違うけど、天下一品のラーメンと一緒。

投稿: ChirperII | 2006年6月 1日 (木曜日) 00:04

う、天一かぁ、微妙なところ。検査を受ける場所によって飲まされるバリウムの味も違うらしいです。このあたりも天一と一緒か?!

投稿: fujaata | 2006年6月 1日 (木曜日) 23:09

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