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DENON DCD-1650GL ローディング・ベルト交換

1650gl_01前項で大きな故障無く活躍していると書いた、購入から 14 年が経過した CD プレイヤ DCD-1650GL ですが、実は 5 年くらい前から特に冬場になるとトレイが出てこない(出にくい)という症状が出ていました。また CD を入れてもうまく読めないことが増えてきました。

買い換えても良かったのですが、特にプレイヤとして不満が無かったのと愛着があったので数年前に修理に出しました。たぶん CD のローディング機構の劣化だろうと考えてのことです。ところが修理できずに帰ってきたのです。理由は「CD 駆動部のモータの故障」で、交換部品が既に無くなっているというものでした。
がっかりしたものの、CD なら手元の安物 DVD プレイヤでも再生できるし、AV アンプにディジタル入力すれば原理的に音は一緒だといったん諦めたのですが、その後何故か復活傾向にあり使える状態になりました。

よくよく見てみると、トレイの収まり具合の本当に微妙なところで動作するかどうかが分かれている雰囲気が感じられました。ここで確信しました。このモデルのトレイはゴム・ベルトで駆動していて、そのゴムが劣化して滑っているから上手くトレイが閉まらない(開かない)のだと。これなら冬場寒さでゴムが硬化して滑りやすくなり、トレイが余計に動きにくくなる説明もつきます。

1650gl_02ってわかっていながら数年間放置していたのですが、先日このベルトの交換を思い立ちました。問題は交換用のベルトが手に入るかですが、メーカに無くても代替品は秋葉原で手に入るだろうし、最悪同じくらいの大きさの輪ゴムでも何とかしばらくはごまかせると考えました。一応近場のオーディオ・ショップである椿テレビ商会に聞いてみたところ、ベルトは取り寄せることができました。修理でしか受け付けないって言われるかと思いましたが、デノンは部品だけでも出してもらえるんですね。お値段は税込み 210 円。輪ゴムにしては高価ですが、純正部品だし送料だ交通費だ考えたらお安いもの。とはいえ、これで直せなかったら意味がないのですが、とりあえずバラしてみることにしました。以下はその作業の様子をレポート。作業時は当然ながら電源コードは抜きましょう。

1650gl_03まず、両脇のサイド・パッドを外します。片側二本ずつのネジを取れば外れます。長い間の圧力でへばりついているかも知れませんが、ネジの軸方向にゆっくり引っ張って外します。サイド・パッドには位置決めのためのダボ(突起)がついていますから、下手にねじると折れる可能性があります。

1650gl_041650gl_05次に天板を外します。天板の 8 カ所のネジを外せば、前後に 2 分割されたアルミ押し出し材の天板がはがせると思います。これも天板の接地面に防振用のゴムが挟んであって、それにへばりついていることがあるので丁寧に外します。ここだけ見てもかなりコストのかかった構造であることがわかると思います。大抵は鉄板の折り曲げで 3 面を作ってしまう部分です。

その次は天板の乗っていた左右の端に、前後にまたがる鉄板で出来た補強用の梁があるので、外します。結果的には左側だけ外せば OK です。
それで、この先さらにバラそうかと思ったのですが、トレイを手で引き出しながら観察すると、トレイの上からトレイを駆動するゴムベルトが見えます。面倒だったのでこのまま作業することにしました。以下あまりオススメできませんが、参考までに書いておきます。

前から向かった状態でトレイを一番引き出すと、ベルトの掛かった右側の小さなプーリー(ホイール)がむき出しになります。この状態で右側のプーリーから完全にベルトを外します。この時点で左の大きなプーリーも見え、ベルトもプーリーから外れるのですが、トレイの一部が干渉してベルトを抜くことはできません。

1650gl_06そこで 1/3 ほどトレイを本体に向かって押し込むと、今度は左のプーリーが完全にむき出しで見えます。この時点でゴムベルトを引き抜きます。
問題は交換するベルトの装着です。この状態で新しいベルトを入れ、左の大きなプーリーに無理矢理ベルトを引っかけてプーリーとゴムを指で押さえながらトレイを引き出します。再度トレイを引き出し、右の小さなプーリーが見えたところで何とかしてベルトを右のプーリーに引っかけるのですが、ゴムがねじれてしまわないように注意する必要があります。
とにかく指が入る部分はとても狭く、ピンセットや細いドライバを駆使して根気よく作業する必要があります。ゴムも伸びていない分直径が小さくなっていますから結構苦労します。しかし、うまく掛かってしまえばしめたもの。これで今回の交換は完了です。
本当はもっとメカをバラしてやる必要がありますが、さっさと片付けたかったのとバラして余計なところを壊すのも嫌だったので、この状態でやってしまいました。このままでも何とかやれそうだという自信もありましたけどね。

1650gl_07交換中、取り出した古いベルトと新しいベルトを比較してみました。写真の通り相当のびてしまっているのがわかります。しかも古い方は劣化してコチコチに堅くなってました。これでは滑ってしまうのは当然です。

交換後、通常の操作でトレイの出し入れをしてみました。とっても静かでスムースに出し入れでき、購入時のことを思い出しました。まだまだ現役でがんばってもらうことにしましょう。

1650gl_08おまけで本体内の電気回路基盤を撮影しておきました。さすがに 14 年前の製品、今では滅多に見られないような巨大な IC がたくさん載っています。このあたりは技術の進歩で今では小さな LSI になっているはずです。アナログ回路も物量が投じられているのがわかります。写真では見えませんが電源部も大きなトランスと二系統の独立した電源回路が積まれていました。最近の同価格帯の機器で、本体の構造を含めてここまでコストが掛けられた製品はあまりお目にかかれないでしょう。

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コメント

つい先刻のこと.帰宅したら女房がCDプレーヤが開かなくなった,ごめんね,とのこと.確かにトレイ開閉ボタンを押しても反応せず.手ではトレイの開閉ができます.
DCD-1650GL をキーワードに検索したら,本記事がヒットしました.
密閉度の高い製品なので放熱は大丈夫か,ホコリは入っているのか・・・気になって2,3年前に開けてみたことがあります.記事に書かれているとおりひと目でコストのかかっている製品だと分かりました.
で,週末に再度開けてみて,プーリーやベルトの様子を調べてみます.
ちなみに我が家でも15年近く動いてくれたもの,単体のCDプレーヤとしては3代目(それ以降は購入せず).ずっと活躍してくれたので捨てるには惜しいのでトライしてみます.

投稿: 芦田っち | 2006年6月14日 (水曜日) 20:01

お越し頂きありがとうございます。
ベルトの劣化だけが原因だと良いですね。これだけは経年変化を避けることができませんから、15 年も使っていれば常識的な不具合と納得できますからね。

今となっては他のものと比べると驚く程良い音では無いかも知れませんが、何故か手元に置いておきたい魅力があります。復活をお祈りいたします。

投稿: fujaata | 2006年6月14日 (水曜日) 23:35

こんばんは,fujaata さん.
酔った勢いで DCD-1650GL を開けてみました.
写真を参考にベルトをチェックしました.弾力性もあり,手でベルトを動かすとトレイが動きます.

通電して本体のトレイ OPEN/CLOSE ボタンを押すとモータが回ろうとしていない様子.リモコン操作でも同じでした.なので,モータが昇天したのではないかと推測します.
モータって既に部品がなく,交換不能でしたよね・・・(T_T)/~~~

週末に再点検してみます.

投稿: 芦田っち | 2006年6月15日 (木曜日) 22:51

芦田っちさん、こんばんは。(^^)
う~ん、モータが動きませんか...。

えぇと、部品が無いと言われたモータは CD を駆動するスピンドル・モータです。トレイを開閉するモータは別なので、部品が既に無くなっているかはわかりません。問い合わせてみる価値はあるかと思います。

問い合わせ先は下記にあります。
http://denon.jp/info/info02.html

投稿: fujaata | 2006年6月15日 (木曜日) 23:16

fujaata さん,情報,ありがとうございます.

2つのモータがあるのを確認しました.
CDを駆動するモータも動かないようです.
というのも,手でトレイを開けてCDを乗せて,再生ボタンを押してもCDが回転しません.スピンドル・モータが回っている気配がありません.

トレイの開閉は手で出来るので,ともかくもCDが回ってくれたら音楽再生はできるはずですよね.
手動トレイ開閉を長く続けることは実用上無理だと思いますが,スピンドルが回ってくれたら嬉しい.

・・・トランスのそばにある巨大なコンデンサに感動して,何とか寿命を伸ばしたいと思っています.

DENON に問い合わせてみます.
ありがとうございます.

投稿: 芦田っち | 2006年6月17日 (土曜日) 03:08

あらら、それってもしかしてモータの故障では無くて、駆動系の制御回路の故障じゃないでしょうか。2 つのモータが一度に昇天するのはちょっと考えにくいです。
制御回路のコンデンサが一発飛んでいた...なんてオチだったりするといいんですけど。(^^;;
直るといいですね。

投稿: fujaata | 2006年6月17日 (土曜日) 23:54

fujaata さん,ご無沙汰しております.

# コンデンサ問題では先週から泣かされて います・・・会社の話ですが.

ご推察のことを文系=素人の私も思いました.
モータではなく基板上の何かかも知れないって.

悲しいことにそれ以上のことは分からないので,ダメもとで DENON に尋ねてみようと思います.
・・・腰の重いオヤヂなので夏休みになるかも知れませんが・・・

投稿: 芦田っち | 2006年6月27日 (火曜日) 23:41

どこもパッシブな部品に泣かされているようですね。
DENON から良い返事が来ることを祈っています。

投稿: fujaata | 2006年6月28日 (水曜日) 23:42

fujaata さん
「DENON DCD-1650GL ローディング・ベルト交換」記事の掲載有り難うございます。
我が家のDCD-1650GLはある日突然電源が入らなくなってしまいました。
横浜のメーカー指定の工場まで持ち込みましたが後日、電源トランスの1次側断線、保守用部品が無いので修復不能と送り返されてきました。
ただこの頃CDのトレイの出入りが殆ど動かなくなっていたのでゴムベルトを発注しておいたものは同梱されて送られてきました。
その後ネットのオークションで部品取りの積りで同型機を購入、トランスを移し替えて今は元気に再生しています。
その作業の時にfujitaさんの記事を見つけて上手くベルトの交換も出来て、今は全く快適です。
暫くベルトの付け位置が見つからなくて困っていたので本当に感謝です。
有り難うございました。

投稿: gasen | 2009年7月12日 (日曜日) 13:42

gasen さんこんにちは。
コメントありがとうございます。
お役に立てたようで何よりです。

DENON さんのサービス担当の方が読まれたら卒倒しそうなやり方なんでしょうが、この記事を読まれて「やってみよう」と思われるような方なら、力ずくで壊してしまうような無茶なことはされないとも思っています。
もちろん何の確信も保証もありませんけどね。

でも、こうやって何とかして長く使いたいと思わせるモノって良いですよね。なかなかお目にかかれませんが。
何かの折には DENON 製を買おうという気にもなろうってものです。

投稿: fujaata | 2009年7月15日 (水曜日) 01:52

初めまして。

DCD-755Ⅱを使っています。


参考にさせて頂き、ローディングベルト交換しました。

私は代用っていう形で、輪ゴムを2重巻きにしちゃいましたけど(笑


これで早く、輪ゴムがダメになったら純正品でやり直したいと思います。


貴重な情報ありがとうございます。

投稿: あまげ | 2009年11月 4日 (水曜日) 13:29

あまげさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

とりあえずの復帰、良かったですね。
輪ゴムであれなんであれ、ローディング機構は
動力伝達できれば OK ですもんね。

多少不安があるとすれば、輪ゴムは劣化しやすく、
ぼろぼろになってプラスチックに付着しやすいこと。
そうなると後で面倒ですね。

動力伝達用のゴムはその点も考慮された材料が
使われているはずですから、気になるようでしたら
早めに純正部品、もしくは動力伝達用のものに
交換されると良いと思います。

投稿: fujaata | 2009年11月 5日 (木曜日) 00:58

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