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インピーダンス不整合

インピーダンスというのは平たく言えば「抵抗」のこと。今回は楽器を吹くときに感じる抵抗感の違いについてのお話です。

fujaata は趣味で Trombone を吹いていますが、今は吹奏楽団Big Band で主に活動しています。以前にも書きましたが、吹奏楽団と Big Band では Trombone と言っても使う楽器が違います。吹奏楽団では太管と呼ばれる管が太くベルが大きい楽器を、Big Band では細管と呼ばれる管が細くてベルが小さめの楽器を使っています。出せる音域はほぼ一緒で運指(Trombone なので運腕か?!)も一緒。なので、吹奏楽なら太管で Jazz なら細管と決まっているわけではありません。あくまで音色の問題で多くの場合シンフォニックな編成では太管が、ポップで小編成なら細管が使われます。

太管は 20 年間使い続けている先日紹介した YAMAHA YSL-8420G を使っていますが、細管は実は所有しておらず、借り物の YAMAHA YSL-8510 を使っています。YSL-8510 もかなり昔からあるモデルですがまだ現行品ですね。Jazz 用の細管と言えば KING の 3B や Bach の 16, 12、CONN (最近だと 100H?!) あたりがプロのプレイヤでもよく使われているようです。YSL-8510 もさほどメジャーではないものの、使われているプロの方を見かけます。中川英二郎さんも使うことがあるようですね。もっとも彼のは YSL-8510 と言っても特別にチューニングされたものなので、市販品のそれとはかなり違うと思いますが。

それで、楽器の細かい話は今回はどうでも良いのです。メーカが違う程度の話なら良いのですが、太管と細管の楽器を使い分けるというのは実は結構やりにくいんです。端から見たら見た目の違いはないし音域も一緒ですから同じようなものですけどね。

fujaata は 20 年前に YSL-8420G を手にしてから主に太管を吹いています。単純に思い浮かべていただければわかると思いますが、細いストローと太いストローを吹くと、太い方はたくさんの息を一度に通せますがすぐに息が無くなります。吹いていても抵抗感が小さく何となくすっぽ抜けた感じがすると思います。細い方は逆に吹いている抵抗感はあるものの、息が少しずつしか流せません。これがまさに太管と細管の Trombone の吹奏感の違いなんです。使うマウス・ピース(歌口)でも変わりますが、管の太さの違いはいかんともしがたい違いです。しかも fujaata は太管の楽器にかなり大きなマウス・ピースを付けていますから、細管との感覚の違いはさらに開く一方。

人間って一度体得した感覚を変えるのって難しいのです。ましてや全く違う楽器ならまだしも、やることは一緒で機構も一緒。こういう状況で楽器によって吹き方を変えるというのは結構大変なんです。fujaata の場合、細管を使うまで 15 年は太管でガンガン鳴らすことを覚えてきたので、細い管にコントロールしながら息を流すなんて芸当は全く出来ないのでありました。つまり身体の使い方が太管で安定して音が出るような吹き方になっているということです。

この状態で細管を吹くとどうなるか?! 細いところに無理矢理息を突っ込むことになりますから、そりゃ飽和するわけです。音が割れる、歪むってのは当然ですが、狙った音にならず別な音程にひっくり返ることまで生じます。と、これは楽器を手にして間もない初心者と一緒。太管を吹いている fujaata からは想像もできない状態になるわけです。あ、別に太管だって上手い訳じゃないですけどね。まだマシってところですわ。

オーディオが趣味の方ならアンプとスピーカの関係に置き換えるとわかりやすいでしょう。管の太さがスピーカのインピーダンスに、息の量と速さがアンプの出力に相当します(本当はアンプの出力インピーダンスも考慮すべきで、これは息の平均的な出し加減に相当するのですがここではややこしくなるので割愛)。管が太いと言うことはインピーダンスが低いことになりますから、息の量が少なくて流し込むスピードが遅ければ楽器はまともな音がしません。低いインピーダンスのスピーカを低出力のアンプで駆動すると情けない音しかしないのと一緒です。逆に大出力のアンプを高いインピーダンスのスピーカに接続すると、ちょっとボリュームを上げるだけでスピーカの音は歪みます。更にボリュームを上げればスピーカはぶっ飛んでしまいます。楽器もこれと一緒。細管の楽器に大量の息を早く流し込んでしまえば音は歪んでしまいます。

要するに楽器もオーディオも 2 つのものを組み合わせるときのインピーダンスの整合が大事だということです。オーディオの場合は機器の組み合わせを選ぶしかないけど、楽器は演奏者がコントロールできる技術を身につければ解決できるのが利点?! う~ん、難しいけどがんばって吹き分けて両刀使いになりたいと思うのでありました。

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