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眼球振盪その 2

さて、眼球振盪ですが、一体どういう見え方になるのでしょうか。
先に紹介したページの中に眼振シミュレーションがあります(Internet Explorer でのみ動作可能)。IE のウィンドウを上下左右に揺らせて、擬似的に眼振患者の見え方をシミュレートするものです。 縦横の振れ幅と揺れの速度を入力して実行するもので、健常者が眼振とはどういうものかを理解するには十分に役立つと思います。ただ、完全にシミュレートできるわけではなく、残念ながら fujaata の見え方は値を変えても実現できません。というのは fujaata の場合、速度も振動方向も、振れ幅も不規則だからです。幸い振れ幅は小さいようなので、充分な光量があり、かつ静止物を見る限りは多少ボケる程度に見えます。むしろ近視と乱視の影響が大きく、コンタクトを使えば、「静止視力」なら両眼とも 1.0 の視力があります。
眼科や検診で測定する「静止視力」というものですが、これが実はクセ者です。fujaata の眼振は「静止位」があります。「静止位」というのはある特定の方向に視線を向けたときに、眼振が小さくなる位置のことです。fujaata の場合以前も書いた通り、顔を正面に向けたまま 45 度ほど下方を見ると眼振が小さくなります。静止視力はこの静止位で、尚かつ眼振が安定してから測るので、好成績が出るのです。日常生活でも本人は意識しなくとも出来るだけ「静止位」でものを見ようとするのでそれは良いのですが、問題になるのは視点を移してから眼振が安定するまでの時間です。これは瞬時ではありません。例えば夜間に電柱についた蛍光灯を眺めたとします。普通の人にはただ光る蛍光灯が見えるだけですが、fujaata には蛍光灯の光が本来の位置の周りを不規則に飛び回ります。安定しても完全には静止しないので、わずかに振動して見えるのがわかります。蛍光灯は 1 秒間に 50 or 60 回の点滅を繰り返しているので、動きがわかるのです。こういった症状のために日常生活で健常者より不利になることが出てきます。
いろいろ書きましたが、要するに「ピント合わせに時間がかかる」ということです。このため高速で移動する物体を細くするのが難しいのと、視点移動が難しいのです。例えば手元の原稿を見ながらパソコンの画面上のワープロに入力する、という作業は手元と画面を交互に視点を動かす必要があるので、そのたびに像を捉えるのに時間がかかり、結構疲れる作業になります。
ここで「え、じゃぁ、車の運転なんてやばいじゃん」と思われる方もいるかも知れません。しかし、車の運転は基本的には自分の前方方向に注意を向けるものなので、思っているほど高速で視点移動を要求されることはありません。また、他車や歩行者の「動き」は普通にわかりますから、運転に支障は無いのです。ただし看板の文字を読んだり、歩行者が誰それさんであることを認識するのは、難しいと言えます。もちろん健常者より見え方が良くない自覚がありますから、運転も無謀なことはしようにも出来ません。右折も普通なら「行ける」というタイミングでも行かなかったりします。こんなこともあって、かえって平均以上に安全運転かも知れません。

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痛い

ASAhi パソコン 2004 年 8・15/9・1 合併号 pp.120 - 125 の特別記事。「やりたいことがあるなら徹底的にサポートする。あきらめるな、遠慮はいらない。しかし、口にした以上は責任は自分にある。徹底的に努力を重ねろ」という医師の言葉。不自由無い生活に慣れると忘れてしまう、痛い。もう一言「患者の死に際して、敗北感と後悔を絶対忘れるな」。例え少数であったとしても、こういう医師の存在にほっとする。同時に前述の言葉は我々技術屋にとっても同じこと。やはり痛い。(参考リンク)

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